お茶の水女子大学数学教室及び数学科同窓会 共催 日本数学協会数学月間(7月22日から8月22日)連携事業 |
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日時 |
2013年7月27日(土曜日)12:30(受付) 13:00?16:30 2013年7月28日(日曜日)10:00(受付) 10:30?15:00 |
場所 |
お茶の水女子大学理学部3号館 7階701号室 (受付:理学部3号館7階エレベーター前) ※土曜日?日曜日とも南門は施錠されております。正門(東門)をご利用ください。 |
会費 | 3,000円(当日受付でお支払い下さい。テキストをお渡し致します。) |
題目と講演者 |
「楕円関数概観」 三宅 克哉 氏 (Ph. D.) 東京都立大学名誉教授 津田塾大学数学?計算機科学研究所客員教授 |
この講演は楕円積分に始まって楕円関数の虚数乗法に及びます.もし時間繰りが許せば,最後に超楕円積分や超楕円曲線とその Jacobi 多様体の紹介も試みたいとは思っています.証明には踏み込まず,むしろ数学上のアイデアが切り開いた数学の新世界への展望が主眼です.楕円関数をめぐって緊密に関連する解析学,幾何学,代数学,数論の諸事物とそれらの間の関係を浮かび上がらせようと思います. 講演では,楕円関数を複素平面上の有理型関数で実数体上で独立な二つの周期を持つものとして捉えます.歴史的に観れば,楕円関数は,微分積分法による円弧の求長公式を踏み台にして,まず楕円やレムニスケートの求長積分の積分関数として捉えられ,実数の世界における微分積分法の枠組みのなかで研究されました.18世紀の半ばになって,まず円弧の求長公式において三角関数の加法公式に対応するものを di Fagnano がレムニスケートに対して発見し,これに刺激された Euler は何年もかけて一般の楕円積分に対してそれを示しました.また Legendre は楕円積分の積分関数を「楕円関数」と呼び,その集成と関数値の表を公刊しました.さらに19世紀に入るころには Gauss がまったく新しい方向性を与えます.ひとつには代数学の基本定理の「証明の厳密化」を図ったことがあり,また直接には画期的な彼の円分論があります.後者は複素平面上の単位円の等分点での複素指数関数の値についての代数的な考察で,彼の『数論研究』の第 VII 章で与えられました.この章の序文ではレムニスケート関数についての同様な考察が豊かな数 学をもたらすことを示唆しました.そして Abel が複素関数として,楕円積分の積分関数の逆関数を取り上げ,その2重周期性を明確にしまた.また彼は楕円積分に基づく変数分離型微分方程式の「代数的な解」に関して楕円関数の虚数乗法を提示し,それと虚2次体における数論との関係を示唆しました. Abel の早世を悼んだ Jacobi は Abel の画期的な寄与を記念しようと,楕円積分の積分関数の逆関数を新たに「楕円関数」と呼ぶこと,ならびに,「楕円積分」という用語を導入して旧来のものにあてることを提案しました.(因に「虚数乗法」という用語を導入し,その理論的な枠組みを構想したのは Kronecker で,これは Abel の没後 28 年を経た 1857 年に始まります.) 虚数乗法に関しては,現代的には,代数幾何学の整備にともなってそれを楕円曲線,アーベル多様体に関するものとして考察されています.この講演では楕円関数と楕円曲線との関係を明らかにして,この移行の背景を眺めます. なお,複素関数論について ?岸 正倫?藤本坦孝共著『複素関数論』,学術図書出版社,1980, ?高木貞治著『代数的整数論』(第2版),岩波書店,1971, などで大まかに復習しておいて下さい. |
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申し込み方法 |
2013年7月19日までに、葉書又はeメールにて、 (1)氏名、(2)住所、(3)勤務先、卒業生の方はそれに加えて、(4)卒業年 を記載の上、事前参加登録をお願い致します。 宛先は以下の通りです: 葉書:〒 259-0312 神奈川県足柄下郡湯河原町吉浜1921147 夏期数学講習会(石塚重子方) eメール: |
備考 |
日本数学協会は、 22/7=3.14…(円周率の近似値) から 22/8=2.7…(自然対数の底の近似値) にちなみ、7月22日から8月22日を数学月間と呼ぶことにして、すべての国民に数学に親しんでもらい、数学と数学教育の意義を再確認していただく運動をしています。 |
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