お茶の水女子大学数学教室及び数学科同窓会 共催 日本数学協会数学月間(7月22日から8月22日)連携事業 |
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日時 |
2014年7月26日(土曜日)12:30(受付) 13:30?16:30 2014年7月27日(日曜日)10:00(受付) 10:30?15:00(12:00~13:30(昼休み)) |
場所 |
お茶の水女子大学理学部3号館 7階701号室 (受付:理学部3号館7階エレベーター前) ※土曜日?日曜日とも南門は施錠されております。正門(東門)をご利用ください。 |
会費 | 3,000円(当日受付でお支払い下さい。テキストをお渡し致します。) |
題目と講演者 |
「代数多様体の分類」 宮岡 洋一 氏 (理学博士) 東京大学大学院数理科学研究科教授 |
この講演では,代数多様体とは何か,また代数多様体の分類とはどういうことか,を説明します. 歴史的に見ると,元来 n 次元の代数多様体は n+1 変数の多項式の零点集合,つまりはアフィン空間,あるいは射影空間の超曲面,として把握されました.たとえば楕円曲線は2変数の3次多項式の零点集合(つまりは平面3次曲線),(超楕円的でない)種数3の曲線は平面4次曲線,といった具合です.しかしながら,こういうやり方では,必然的に特異点をもった超曲面をあつかう必要が出てきます.たとえば種数2の曲線は非特異な平面曲線としてあらわすことはできませんし,2次元以上のアーベル多様体も非特異超曲面として表示することはできません. 超曲面は直感的にはわかりやすい対象ですが,その一方,一般には特異点をもった集合であるということが,技術的に厄介な問題をもたらします.平面曲線の場合ならば,現れる特異点として通常2重点という簡単なものだけ見れば済むので問題は小さいのですが,2次元以上になるともっとずっと複雑な特異点が絡み合い,わけの分からないことになります. こうした理由から,現在では n 次元の代数多様体の定義として,十分高い次元の射影空間の中で,いくつかの斉次多項式(定義方程式系)の零点集合の共通部分として書けるもの,とするのが普通です(このような集合として非特異なものがとれることを保証するのは,広中先生の特異点解消定理です).しかしながら,このような一般的な定義にすると,いろいろ難しい問題がでてきます.素朴に考えても,実質的に同じ集合を表すのに定義方程式系の取り方はいろいろありますし,逆に沢山の多項式からなる定義方程式系の共通零点集合がどういう形をしているのかを調べるのも易しいことではありません.つまり方程式を単に眺めていても代数多様体がどういうものかを把握するのは困難であるし,ましてや分類するなどということは不可能です. こうした困難な問題を整理して「代数多様体の分類」に先鞭を着けたのはB. Riemann でした.彼は1次元の代数多様体,すなわち代数曲線に対して,位相不変量である種数を定義し,種数 g の代数曲線全体は g が 2 以上なら 3g-3 次元(g = 1 なら1次元)の族を作ることを主張しました.彼の観点の画期的なところは,代数曲線に対し「不変量」としての種数に注目し,同じ種数をもつ代数曲線全体がまた代数多様体(モジュライ空間)の構造をもっていることを洞察したことにありました.適切な不変量を定義し,それに注目して分類の指標とするというアイデアは,代数曲面,さらには一般次元の代数多様体の分類理論へとつながることになります. 代数曲線の種数には2つの自然な解釈があります.一つ目はトポロジー的な解釈で,代数曲線を閉じた位相的曲面と見たときの「穴の数」であり,もう一つは「独立な正則微分形式の数」という解析的解釈です.高次元の分類理論の鍵として使用されたのは,微分形式の数という後者の解釈です. 講演では,代数多様体の定義から始めて,代数曲線の理論,Castelnuovo, Enriques, 小平による代数曲面の分類へと進み,そして高次元の双有理分類理論を概観したいと思います. |
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申し込み方法 |
2014年7月18日までに、はがき又はeメールにて、 (1)氏名、(2)住所、(3)勤務先、卒業生の方はそれに加えて、(4)卒業年 を記載の上、事前登録をお願い致します。 宛先は以下の通りです: 〒 259-0312 神奈川県足柄下郡湯河原町吉浜1921-147 夏期数学講習会(石塚重子方) eメール: |
備考 |
日本数学協会は、 22/7=3.14…(円周率の近似値) から 22/8=2.7…(自然対数の底の近似値) にちなみ、7月22日から8月22日を数学月間と呼ぶことにして、すべての国民に数学に親しんでもらい、数学と数学教育の意義を再確認していただく運動をしています。 |
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