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平成24年度 入学式 学長告辞

2012年4月4日更新

2015年オープンキャンパス(理学部) 7月18日 学長挨拶

新入生の皆様、ご入学おめでとうございます。皆様のご入学を心から歓迎いたします。そして、保護者の皆様に謹んでお祝い申し上げます。
また、本日ご臨席いただきました来賓の皆様に感謝申し上げます。

本日入学された学生の皆様には、この大学の教育環境を存分に活用して自らを磨き鍛え、そして新しい自分を創り上げていただきたいと思います。
お茶の水女子大学の校歌は、日本で初めて作られ、また、最も短い校歌といわれています。

みがかずば たまもかがみも なにかせん
学びの道も かくこそ ありけれ

これが本学の校歌です。
学問に携わる人は誰も、自らを練磨し、知を学び、知を創造することが求められています。
では、大学では何を、如何にしてなすことができるのか。
「我思う ゆえに我在り」というデカルトの言葉があります。
私たちは目に見えるもの、触れることのできるもの、を確かな存在とみなしがちですが、そのことを改めて問うたのがデカルトでした。そして、問い続ける「我」に一つの根拠を見出しました。
関心のある対象をどこまでも問い続ける姿勢は、どの学問にも共通します。ですがそこに至るまでの手掛かりになるのは、専門的な方法論であり、思考法であり、物事を明らかにするには様々な方法があることを認識するのが重要です。それによってはじめて、独断的な思考から脱することができるからです。
大学教育を受けた者の「見識の高さ」は、そうした訓練によってはじめて身につくものであると私は考えています。そして、お茶の水女子大学の学部教育の真髄はここにあります。
平成20年度に開始した「21世紀型文理融合リベラルアーツ教育」と、昨年から実施している「複数プログラム選択履修制度」は、そのための教育システムであり、課題に対する多様なアプローチの仕方を学び、さらに、主体的に専門性を身につける教育システムです。

東日本大震災で痛感させられたように、私たちが今直面している社会的課題はきわめて複雑であり、解決のためには複合的な視点が必要です。しかもそれは課題ごとに異なります。その時に手掛かりになるのは確かな専門的知識です。大学で学ぶ者として、皆様は、広く柔軟な視点と、確実な知識を身につけることを心がけてください。
課題を見つけ、解決方法を学びながら専門的知識を修得していくのが本学の学び方ですが、これは優れた研究者が教員として身近にいるからこそ可能なのであり、また小規模大学であるからこそできる教育といえます。それに加えて、主体性があり、自律的で、優秀な学生がいるからこそ実現可能な教育方法です。

さらに、本学は国立の女子大学として、リーダーの育成に力を入れています。女性の大学進学率が短大も含めると50%を超えているにもかかわらず、現在、例えば、公務員、企業での役職者の割合は10%台に過ぎません。先日、ある審議会に出席していて、委員のうち三分の一がお茶大の出身者であることに気付きました。本学の卒業生は、多く社会的に活躍していますが、卒業生がこれまで以上に社会貢献するだけではなく、社会全体として女性の社会参加の機会を増やすことを目指してリーダー育成プログラムを実施しています。
その際に私たちが目指しているリーダー像は、単にトップリーダーだけではなく、各自が、持てる力を発揮することによって組織を強化し、社会基盤を充実させることを通して社会を牽引する立場に立てるリーダーです。したがって、お茶の水女子大学でのリーダー教育では、知性を磨き、他者を尊重し、しなやかな強さを身につけることを重視しています。
確かな専門的知識を習得し、独断に陥ることなく、多様な在り方を理解する柔軟な姿勢がリーダーに必要な条件であると考えているからです。
他者を尊重することの一つの具体的な事例といえるかもしれませんし、あるいは社会貢献の一つと申し上げた方が適切かもしれませんが、今日、新入生の皆様にお渡しする資料を入れたトートバックは、大学からの贈り物でお茶大グッズの一つです。大学グッズは現在14アイテムを開発していますが、昨年、これらの売り上げの一部を、NGOを通して途上国の女子教育支援に役立てるようにいたしました。これは、国立大学のグッズとしては初めての試みでした。
教育の面での途上国の女子教育支援は高く評価されている本学の取り組みですが、私たちはこれからも、社会とともにあることを大切にして教育機関としての役割を果たしてゆきたいと考えています。

21世紀型文理融合リベラルアーツ教育(新しいウインドウが開きます)」、「複数プログラム選択履修制度(新しいウインドウが開きます)」、そして「リーダー育成」が本学の教育の主要な特色といえます。その根底にある教育の本質は、人間性の練磨、あるいは高い見識をもつ人間を育てることにあると考えています。
大学で学んでいただきたいのは、単なる方法や技術ではなく、適切に判断する能力です。
「何が実際になされているかではなく、何がなされるべきかを判断する能力」あるいは、「なすべき事柄を判断する能力」を身につけていただきたいと思います。

お茶の水女子大学は明治8年(1875年)に設置された東京女子師範学校を前身とし、今年で創立137年になります。
創設時は湯島(お茶の水)に校舎があり、当時「お茶の水の学校」と呼ばれていたことが記録されていますが、1923年の関東大震災で校舎を焼失し、9年後1932年にこの地に移転して、この建物、大学本館が建設されました。
大学本館は、正門、附属幼稚園とともに、国の有形文化財に登録されていますが、建物の外壁のスクラッチタイルは当時として最新の様式であり、また本館玄関の大理石も当時の最高級の素材で作られたといわれています。そしてこれらの事実はいずれも、本学の教育に対する、当時の社会的期待の表れだったといってよいでしょう。
創設時は、教員の養成機関として期待され、そして今は社会の多様な領域に卒業生を送り出していますが、創設以来、変わることなく本学は社会の大きな期待を担い、そして、それに応えてきました。

皆様がいらっしゃるこの大学講堂は、徽音堂と名付けられていますが、「徽」は「しるし」、「徽音」は美しい音、あるいは優れた教え、などの意味があるといわれています。この大学の「徽音堂」は「優れた知の殿堂」といってよいかもしれません。
お茶の水女子大学では入学式や卒業式など、大学にとって大切な行事をこの講堂で行います。それは、この大学の輝かしくも堅実な歴史とともに、教育と研究の真の在り方を顧みつつ、社会の期待に適切に応える決意を新たにする場でもあります。
今日から皆様がこのキャンパスで豊かな学生生活を過ごされ、そして4年後、それぞれが確かな知識と、見識と、そしてしなやかな強さを身につけて、この講堂で卒業の日を迎えられますことを期待しています。
皆様のご入学を心からお祝い申し上げます。

  平成24年4月4日

お茶の水女子大学長
   羽入 佐和子