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2017年8月30日更新
村田容常教授グループの論文がFood Science and Technology Research Vol. 22(2016)に掲載された101論文の中からBest Paper(Food Science部門)として選出され、8月28日から31日に日本大学湘南キャンパスで開催の2017年度日本食品科学工学会にて表彰された。本研究は本学食品貯蔵学研究室(村田研)でなされたもので、筆頭著者の鮫島那奈さんは、2014年3月に本学ライフサイエンス専攻食品栄養科学コースを卒業して、現在農林水産省の消費?安全局に勤務している。他の4名の著者も本学食物栄養学科もしくは大学院ライフサイエンス専攻食品栄養科学コースを卒業している。本学生物学科の作田正明教授との共同研究でもある。
Cloning of Phenylalanine Ammonia-lyase and its Role in Enzymatic Browning of Mung Bean Sprout during Cold Storage
Nana SAMESHIMA, Midori NISHIMURA, Koko MURAKAMI, Yukako KOGO, Yuko SHIMAMURA, Masaaki SAKUTA, and Masatsune MURATA
緑豆もやしは冷蔵中に褐変し、品質が劣化する。本研究はその褐変機構を解明した食品学的研究である。まず、ポリフェノール類の生合成の律速酵素であるフェニルアラニンアンモニアリアーゼ (PAL) mRNAをクローニングし、冷蔵中におけるその発現上昇を明らかにした。次に、trans-coumaroyltartronic acidと trans-caffeoyltartronicacidが緑豆もやし中のポリフェノールオキシダーゼの主要な基質(ポリフェノール)であり、冷蔵中に増加することを示した。生成されたポリフェノール類は、ポリフェノールオキシダーゼにより酸化され褐変する。これらの結果は、PALの発現とフェノール類の生合成が冷蔵中の緑豆もやしの褐変に必須であることを示している。
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