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2024年3月28日更新
お茶の水女子大学では、2024(令和6)年4月より共創工学部が新設されます。SDGsや多様性を包摂する社会を実現するには、女性の参画は不可欠です。データサイエンスの基盤の上に、工学の知識や技術を文系の知と協働させることで、Society5.0 への取り組みを前進させ、人間中心の社会に向けたイノベーションを推進できる女性人材の育成を目指します。
共創工学部の設立目的
テクノロジーは私たちの社会や文化に欠かせないものとなり、未来の創造に大きな役割を果たします。環境をはじめ、テクノロジーが取り組む課題には人文学や社会科学からの視点の重要性が増しています。共創工学部には、工学と人文学?社会科学の知が協働し、共に未来の環境、社会、文化を創るという意味が込められています。また、協働を進める上で大きな役割を果たすのがデータサイエンスです。ここで学んだ学生が将来、さまざまな垣根を越え、多様な人々を巻き込み、新たな意味や価値を創造していくことが共創工学部の狙いです。
設置学部 | 共創工学部(入学定員46名) |
設置学科 | 人間環境工学科(入学定員26名) 文化情報工学科(入学定員20名) |
工学を力に、ともに未来をつくる。
共創工学部デジタルパンフレット
大学案内(2024年度版)_共創工学部の誕生
大学案内(2024年度版)_学部?学科プログラム
ディプロマ?ポリシー
学士課程ディプロマ?ポリシー(新しいウインドウが開きます)
特設サイトURL https://www.te.ocha.ac.jp/special/
工学と人文学?社会科学の知を協働させ、 社会と共に未来の環境、文化を創り出す
共創工学部は、工学と人文学?社会科学を協働させ新たな技術や文化すなわちモノやコトを考案?創造することを目的とする新しいコンセプトの工学部です。自然科学を基礎とし、社会と対話しながら新しい技術を実装?普及する人間環境工学科と、データサイエンスの手法を活用し、人文学?社会科学と工学を協働させて新しい文化や価値を創り出す文化情報工学科の2学科で構成されます。社会における課題を解決し、社会?文化のイノベーションを目指して、工学設計やデータサイエンス等の技能を習得するプログラムだけでなく、課題を発見し解決策を考案する力、それを具体化させ、かつ社会との対話を通じて普及させる力を涵養するプログラムを備えています。また一級建築士、二級建築士の受験資格、博物館学芸員、GIS学術士、地域調査士の資格取得に必要なカリキュラムも用意しています。社会と共に未来を創る、また工学に文系の知恵を併せて共に新しい技術や文化を創る、それが「共創工学部」の理念です。
共創工学と従来の工学との違い
これまでの多くの工学では分野ごとに最先端の技術を進化させ極めることで豊かな生活の実現に寄与してきました。一方でこれからの未来社会の創造には生活者の多様性を考慮し、かつ持続性をもつ社会の実現が求められます。そのためには専門的な知識(専門知)が必要なのはもちろんですが、社会的な課題を発見し(発見力)、解決策を考案する(発想力)だけでなく、それを具現化し(デザイン力)、社会との対話によって(対話力)普及させるための、各能力を備えることが必要です。共創工学ではこれらの能力を涵養するプログラムを備えていることが特徴です。
共創工学部の特徴
大学案内(2024年度版)_共創工学部の特徴
人間環境工学プログラム
大学案内(2024年度版)_人間環境工学科
文化情報工学プログラム
大学案内(2024年度版)_文化情報工学科
学士課程カリキュラム?ポリシー
学士課程カリキュラム?ポリシー(新しいウインドウが開きます)
出願状況など、入試に関する情報全般はこちらをご覧ください。最新情報が随時更新されます。入試に関するお問い合わせは、お茶の水女子大学?入試課までお問い合わせください。
入試課
電話 03-5978-5151/5152
e-mail: nyushi@cc.ocha.ac.jp
入試情報はこちら(学部募集要項)
入学者受入方針
大学案内(2024年度版)_入学者受入方針
共創工学部での学問分野と、共創工学でめざす教育研究の紹介です。
大瀧雅寛 研究室案内 |
環境衛生、環境負荷低減 |
水環境学や環境衛生学を中心に、途上国におけるウェルビーイングの高い水供給技術や排水処理技術の開発を行い、かつその技術を如何にその社会に適用させることができるのかについて研究します。特にユーザー主体の着眼点を大切にしながら、意識変化を生じさせる有効な情報提供方法について検討しています。 | |
太田裕治 研究室案内 |
人間工学、生体医工学 |
少子高齢社会の流れのなかで、誰にでも使いやすい生活支援技術が求められています。先端科学技術の福祉や医療?健康分野への応用を専門とし研究活動を行っています。人間工学?医用工学という新しい学問分野を専門とし、医療や福祉の現場、さらには、家庭で役立つ機器やシステムの開発を進めています。 | |
小口正人 研究室案内 |
マルチメディア、情報ネットワーク |
インターネットを中心とする大規模ネットワークによって多種多様なコンピュータや情報機器類が接続されるようになり、互いに連携しながら高度なネットワークコンピューティングが行われており、これが現代社会の中心的な基盤となっています。このシステムの仕組み、やり取りされるデータの扱い方、これに伴うセキュリティやプライバシなどは、単なる技術の問題に留まらず、社会を動かすための大きな課題となっており、この分野の成果は社会環境の発展に直結すると考えられます。 | |
近藤恵 研究室案内 |
自然人類、文化財科学 |
私たちヒトの身体的特徴を進化学的に捉えると、ヒトという生物がどのような生き物であるかをより深く理解できます。私たちはテクノロジーの力を借りずに生活するのは難しい生き物になっていますが、長い生物の歴史の中で、ヒトが地球上においてどのような存在となっているかを正しく理解することで、私たちが将来何をしたらよいか、何をしてはいけないか、が見えてくると思います。そのような知力を養う教育研究を目指します。 | |
長澤夏子 研究室案内 |
建築計画、建築環境?設備 |
建築をつかう人にとって良いかを評価する研究を行っています。一つは行動や社会的側面をあつかう建築計画学で、さまざまな都市や建築での行動や使われ方の調査を行います。人間工学の実験調査でユニバーサルデザインなど多様な人にとっての空間について考えています。また環境心理学など人の生理?心理側面をあつかい、健康を増進する住まいなどをテーマにしています。建築を使うさまざまな人と共創によって、研究成果を実際のインテリアや建築に取り入れます。 | |
元岡展久 研究室案内 |
建築設計、建築史?意匠 |
建築や住まいは、技術的側面のみでデザインされている訳ではありません。技術はもちろんのこと、社会や文化的側面を含む私たちの生活環境と建築意匠との関連を分析し、デザインの意味や可能性を探っています。また過去から現代に至る建築作品を対象に、時代や地域による建築の特徴を探る建築史研究もテーマにしています。そしてこうした研究や調査の成果を建築設計に応用し、具体的なデザインの実践を目指しています。 | |
由良敬 研究室案内 |
生命情報、生物物理学 |
現存生物は、激動の地球史を生き延びてきたつわものたちです。その分子的仕組みを知ることによって、人類が直面しているさまざまな問題を解決するヒントを得ることができそうです。生命の歴史はゲノムに書き込まれています。情報科学の力を使ってさまざまな生物のゲノム情報を読み解き、歴史から学ぶことをめざします。いままで誰も知らなかった酵素タンパク質を見出すことができれば、まったく新しい化学プラントを作り出すことも夢ではなくなります。 | |
秋元文 | 材料設計、ソフトマテリアル |
バイオテクノロジー?エネルギー関連分野で真に活用できるユニークな機能性ソフトマテリアルを開発することを目標としています。このような材料を開発するためには「基礎研究」と「異分野融合」が欠かせません。ハイドロゲルや高分子表面/界面に関する未知の現象解明を行う好奇心と化学?生物学?医学?工学?物理学?数理科学をシームレスに行き来するためのヒューマンコミュニケーションを大切にしながら研究を行います。 | |
河合英徳 研究室案内 |
建築環境、都市気候 |
市街地での猛暑や台風での強風被害等、都市?建築の周りの気象現象は地域特有の立地特性やそこに暮らす人々の生活と密接にかかわっています。共創工学のデータサイエンス手法も活用しながら熱?気流の観測やシミュレーションに基づく実態把握、熱環境設計のためのシミュレーション手法の開発、居住者の行動を促すインテリアの開発等を行い、地域の気象条件に適応した都市や建築の設計に生かしていくことを目指しています。 | |
Tripette Julien 研究室案内 |
生体工学、健康科学 |
スポーツ科学は、多くの学問分野が交差するエキサイティングな分野です。研究室では、人間工学とデータサイエンスの手法を使用して、人間の身体的行動の理解を深め、人々が活動的なライフスタイルを取り入れるのを支援する新しいハードウェアとソフトウェアのサポートツールを設計します。目標は、より持続可能な社会のために健康的なライフスタイルを促進することです。 | |
藤山真美子 研究室案内 |
デザイン工学、建築学 |
都市?建築空間は、自然、インフラストラクチャー、人工環境等の様々な諸条件によって構成されています。さらに、文化的、社会的背景やデザインコンセプトなど、空間形態を統御する内在要因も持っています。これらの重層的構造によって、どのように都市?建築空間が形づくられ、私たちの日常生活や感覚に影響を及ぼしているのかについて、工学的理論と芸術的感性を複合した視点から、研究やデザイン提案を行います。 | |
雨宮敏子 研究室案内 |
生活材料、高分子?繊維材料 |
生活に身近な高分子材料を扱っています。材料を学ぶことは、製造側と消費者側双方にとって必要です。研究開発においては、高機能性を追求しながらもスペック競争に陥らず、使う人の用途に対して過不足ない機能であることや、製造段階からの環境への配慮が重要であると考えます。世の中のニーズをとらえ、私たちの生活がより快適で便利になるよう、材料の観点からアプローチします。 |
伊藤さとみ 研究室案内 |
言語情報学、言語学 |
言語の意味と音声の関係を研究しています。同じ言葉でも違うイントネーションで話されると、誉め言葉が嫌味になったり、けなす言葉が親しみを表したりすることを日常に経験することは多いと思います。私の研究室では、Praatなどのソフトウェアを使って音声を可視化し、その特徴を抽出してデータサイエンスの手法で分析することにより、イントネーションが言葉の意味をどのように変えてしまうのかを研究しています。 | |
伊藤貴之 研究室案内 |
マルチメディア、 コンピュータビジョン |
データサイエンスのコア技術のひとつとして、データを効果的に画面表示する情報可視化の研究に取り組み、幅広い分野や幅広い産業のデータを情報可視化によって分析しています。共創工学部が対象とする言語?地理?人間環境などのデータも可視化してみたいと考えています。その他の研究として、マルチメディアやコンピュータビジョンの諸技術を活用することで、音楽や絵画の分析や理解にも取り組んでいます。 | |
宮澤仁 研究室案内 |
地理情報学、人文地理学 |
地理情報は、地球上の諸事象について位置を示す情報とそれに関連付けられた情報のことです。デジタル化が進んだ現在では地理情報システム(GIS)がその統合的処理を担っており、学際的研究の共通基盤から社会の情報インフラまで多岐にわたって活用されています。人文学?社会科学分野の地理情報の可視化や空間分析から地域の文化的?社会的課題を明らかにするとともに、共創工学の趣旨から持続可能な地域、豊かな文化に囲まれた地域をデザインするためのプラットフォームとしてGISを応用します。 | |
吉田裕亮(~2025年3月) 研究室案内 |
応用数理、基礎解析学 |
観測や実験で得られたデータには、真に必要な有益な情報と共に、その必要とする情報を隠してしまう不要なノイズが混入しています。純粋数学の多くの基礎理論は、このような観測されたデータから真に有益な情報を抽出するための統計的データ解析に応用することが可能です。現在は、ノイズ部の推定に無限次元行列の解析学である非可換解析学でのランダム行列理論を応用し、時系列データや非線形判別の新たな解析手法の開発を目指しています。 | |
埋忠美沙 | 文化情報学、演劇学 |
日本演劇、歌舞伎を研究しています。形に残らない演劇を研究するためには台本や劇評といった文字資料のみならず、浮世絵?ブロマイドといった図像資料や映像?音声といった視聴覚資料など、多様な資料を複合的に扱うことが必要ですが、デジタルアーカイブの構築によって、近年その手法は拡大しつつあります。文系の手法をベースにデータサイエンスを用いることで、多角的なアプローチによる演劇研究に取り組みたいと考えています。 | |
坂田綾香(2025年4月~) | 統計科学、情報科学、統計物理学 |
機械学習技術が機能する仕組みや、最良の結果を得るための設計といった問いに対する理論的裏付けは、実生活に技術を応用する上で重要です。このような問題に対して、機械学習の基盤である統計学分野の数学的手法だけでなく、情報科学や統計物理学における数学的方法も導入して、より深い洞察と効果的なアプローチを追求しています。例として、統計的モデリング、データ圧縮、アルゴリズムの設計や解析などの研究を行なっています。 | |
土山玄 研究室案内 |
テキストアナリティクス、 情報学フロンティア、統計学 |
文体には個性があらわれると考えられています。日本語の文章では、特に助詞や助動詞、句読点などの用法に書き手の習慣的かつ形式的な特徴があらわれます。そこで、『源氏物語』などの古典作品や夏目漱石の小説といった多様な文学作品のテキストデータを対象とし、データサイエンスの手法を用い、文体的特徴の出現傾向を分析することで作者の識別?同定や文献の成立過程の推定を試みるという文理融合の研究を行っています。 | |
Le Hieu Hanh 研究室案内 |
データベース、データ工学 |
多種大量なデータを蓄積し有効に活用することが求められる中、信頼性の高いデータ格納方法や高速なデータ処理および高度なデータ分析等を実現するために、データ管理活用に関する研究を行っています。その中、医療?言語?地理?文化等といった多種多様な情報を対象とし、データを有効的に集積?格納した上で、有益な情報を創出する分析方法の研究開発を取り組んでいます。 | |
土田修平 研究室案内 |
人間情報学、システムデザイン、 ヒューマンインタフェース?インタラクション |
ヒトやモノがもつ多彩な動きと工学の技術を組み合わせて、未知の表現世界を探求しています。データ化した動きを情報として処理することで、革新的な表現の創造を目指しています。更に、動きや感覚を情報として扱い、最新の情報処理技術を駆使してアートやダンス等の領域において解析?創作?指導?評価などに応用することで、社会に新たな価値を提供していきたいと考えています。 | |
遠藤みどり 研究室案内 |
歴史情報学、日本史学 |
歴史学は、残された過去の記録(歴史資料)を客観的に分析し、当該期の歴史像を構築する学問です。近年は歴史資料をデジタル化したり、デジタル化した史料を利用したりすることで、従来の人的作業ではできなかった長期的?網羅的分析が可能となってきました。そのなかで日本の古代社会について、より客観的で具体的な分析を行うため、律令官僚人事データベースの構築と、その分析手法の確立に取り組んでいます。 | |
佐藤有理 研究室案内 |
思想情報学、認知科学 |
人工知能や認知科学を使って哲学に通ずる問題を解いていく計算哲学?思想情報学と呼べるような研究に取り組んでいます。とくに、○○を画像で表せるか/○○画像として識別できるかという、難問「意味の計算による実現」に通ずる問題に、人間と機械の理解を比較することでアプローチしています。○○は、論理にかかわるもの(例えば、否定"not")を得意としていますが、意図や美的価値にかかわるものも扱っていきます。 |
共創工学部学部長インタビュー、教員紹介掲載
学報—OCHADAI GAZETTE—2023年7月号 (新しいウインドウが開きます)
工学系学部設置準備室
E-mail: kyousoukougaku@cc.ocha.ac.jp
詳細情報については、随時更新いたしますので、是非ご覧ください。