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2013年4月17日更新
本学が所有する黒田チカ先生の天然色素研究関連資料が日本化学会化学遺産(第019号)に認定されました。
“黒田チカ先生(1884?1968)は当時女子の最高学府、女子高等師範学校(現お茶の水女子大学)卒業後、初の女子帝大生3人のうちの1人として東北帝国大学に入学。眞島利行教授の指導で紫根(しこん)の色素を研究してその化学構造を明らかにし、「シコニン」と命名。1918年最初の研究成果を『東京化学会誌』に発表するとともに、同年東京化学会大会で女性理学士初の研究発表を行って社会の注目を集めた。
オックスフォード大学留学(1921-23)の後、新設の理化学研究所眞島研究室で紅花色素の構造研究に打ち込み、結晶(「カーサミン」)として単離に成功、この研究により日本で2人目の女性理学博士となった(1929年)。その後も多くの天然物色素を研究対象に取り上げ、単離した結晶性色素の化学構造を明らかにした。タマネギの上皮に含まれる色素ケルセチンは高血圧症の治療薬として製剤化された。天然物化学の研究とともに歩んだ黒田チカ先生の一生は、女性化学者のさきがけとして特筆すべきであり、お茶の水女子大学及び黒田家に所蔵される資料はその研究業績を示すものとしてきわめて貴重であります。”
(公益法人日本化学会化学遺産委員会(2013年3月)資料より抜粋)
本学所蔵の天然色素研究関連資料と黒田先生
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