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2023年12月19日更新
2023年12月5日 第10回
担当ライター:日野紀子客員講師
みなさんこんにちは! アバナード株式会社コーポレートシチズンシップリードの日野紀子です。今回は10月にスタートした、お茶の水女子大学での寄附講座についての続報をお伝えします。
4カ月の講座期間を通して、社会課題について学び、テクノロジーを活用して解決する方法を考える本講座。受講生のみなさんは、アバナードの現役エンジニアによるサポートを受けながら、アプリ開発のプランを組み立ててきました。
開講から約2か月がたった12月5日、学生のみなさんがアバナードの東京オフィスを訪れ、重役をはじめ社員が見守る中これまでの成果を発表。構想されたプランに対して、アバナード社員がさらに素晴らしいプランへとブラッシュアップするためのフィードバックを行いました。「より良い社会にしたい!」という熱い思いが結集した、中間発表会の模様をレポートします。
中間発表会はアバナードのエグゼクティブ?和田玄さんから未来のチェンジメーカーたちへのメッセージで幕を開けました。
和田「変化が激しい世の中で、誰もが先行きが見えない不安の中で過ごしています。その不安に打ち勝つ方法はたった一つで、考え続けることなんです。目の前にある情報や、いろいろな人から聞いたことをインプットして、自分で考えてアウトプットする、ということを普段から意識すると、どんなに時代が変化しても揺らぐことはありません。
この寄附講座を通してみなさんには、SDGsという考え方をもとに自分たちの周りを見回したときにどんなことに気が付くか、それを他の人たちと共有することでどんなアイデアが出てくるのか、ということを体験してみていただきたいと思いますし、この中間発表会で、みなさんの考え方がさらに変化したり、進歩が生まれたりすることを期待しています」
全14チームがA?Gの7班に分かれ、発表会が始まりました。各班で2つのグループが5分ずつプレゼンを行い、食品ロスや防災、プラスチックごみなどの社会課題を解決するためのテクノロジーの活用について、2カ月の授業を通して組み立ててきたプランを紹介します。
7つのテーブルにはそれぞれ1?2名のアバナード役員や社員がつき、プレゼンを見届けました。実際にアプリを使うユーザー側、そして普段の業務で行なっているアプリなどのシステムを提供するサービス側の2つの目線に立ち、プランに対してフィードバックを行います。
会場には、アバナードジャパン代表取締役の鈴木淳一さんの姿もありました。学生たちや社員と同じテーブルを囲んでプレゼンを聞き、ビジネスパーソンとしての的確なフィードバックを送っていました。
発表を終え、再び集まった学生たちを前に、鈴木さんが総評を行いました。
鈴木「みなさん、お疲れさまでした。私も1チームだけ伺いましたが、非常に良い手応えを得られたのではないかなと思います。
先ほどプレゼンをお聞きしたチームがまさにそうだったのですが、最初に設定したテーマや課題に対する解決策を考えていると、求められることよりも、どんどん“自分たちがやりたいな”と思う方向に検討が進みがちですよね。ビジネスの現場でもよくあることなのですが、私はそれでも良いと思っています。やっぱり、自分たちがやっていて楽しいとか、やりたいと思えることであればあるほど、情熱を注げますよね。
そして、出来上がったアプリやサービスを実際に使ってみてもらうと、そこでフィードバックをもらったり、新しい課題が見つかったりします。最初に設定した課題がそもそも正しかったのかということを振り返り、また何度も試行錯誤していくことによって、本当に解決したい課題や、その課題を解決するためのサービスや仕組みにたどり着くことができるのではないかなと考えています。
みなさんは私たちの時代と比べると使えるリソースやサービスも多様ですし、さまざまなことを経験?体験しやすくなっていると思います。まさに今日も、貴重な時間を使ってとても良い経験をされているのではないかなと思いますので、社会に出られたときにアバナードとの経験を思い出して、ビジネスの場に生かして行ってもらえたらとてもうれしいです」
最先端のIT会社のトップによる総評を、真剣な表情で聞いていた学生の皆さんでした。
今回の中間発表会には、代表取締役やエグゼクティブを含め総勢15名以上のアバナード社員が参加。学生のみなさんにとって、これまで積み重ねてきた成果の手応えをつかめる、充実した時間となったのではないかと思います。この場を借りて、参加してくださったみなさんに改めてお礼をお伝えしたいと思います。
これまで授業をサポートしてきた社員だけでなく、今回初めて学生たちと触れ合った役員たちにとっても、非常に刺激のある場になったようです。
入江(アドバイザリービジネスグループ統括)「私が参加した班では掛け声でプレゼンが始まって、楽しかったです(笑)。学生のみなさん、元気でしたね。私からはこういうブラッシュアップが必要ではないかとか、こういった観点を取り入れた方がいいのではなどフィードバックをさせていただきましたが、いずれも素晴らしい発表だったと思います」
傳(ファイナンスディレクター)「昨年の寄附講座にも参加させていただきましたが、今回もみなさんの社会課題を解決したいという情熱が伝わってきましたね。学生のみなさんはまだビジネスの経験がないので、私からはその観点から、アプリを使って課題を解決してもらうために誰にどのようなメリットがあるのかを明確にしてみよう、というフィードバックをお伝えしました。この寄附講座のようなコーポレートシチズンシップ活動は、良い場を社員にも提供できますし、社会にも貢献できる素晴らしいものだなと、この場を通して改めて感じました」
和田「想像を遥かに超えていましたね! 最初に思いついたことを具体化していくためのステップを進めてきたのを感じましたし、その過程で迷いながら一つ一つ判断されてきたことが見受けられました。表面的ではない、すごくリアリティのある発表だったと思います。真剣に考えて悩んでくれているのだなとすごく伝わってきて、感動しました。これからアプリを作っていく際に、どのような方向で取捨選択をして進めていくのか、ディスカッションができたのではないかなと思います。私たちにとっても、とても面白かったです」
各回の運営をアバナード社員がサポートし、数多くの社員が関わってみなさんの学びを見届けてきました。たくさんの学生のみなさんが熱心に取り組んでくれていて、担当の先生のもとには「なぜこんなに学生が集まるの!?」と、何人もの教授が聞きに来られるそうです。
社長も役員も積極的に関与しているお茶の水女子大学の寄附講座。なぜ、ここまでアバナードが本気で取り組んでいるのかというと、学生たちの支援が単に企業の社会的な責任であるからではなく、若い世代が未来のデジタル世代の筆頭に立ち、チェンジメーカーとして社会を変革してほしいという強い思いを、会社の理念として共有しているからです。
そして一方的な教育だけではなく、今回のように一つの場を共有してプロジェクトを一緒にブラッシュアップしていくことが、学生だけでなく社員にとっても、社会に真のインパクトを与える体験につながり、一人ひとりの成長にも寄与すると信じています。
最後に、毎回の授業を社員とともにサポートしてきた、学生スタッフのみなさんにも中間発表会を終えた感想を伺いました。
本田「この寄附講座に参加している学生のみなさんの表情がとてもキラキラしているのを感じます。今回の発表では、協力してもらう企業にどのようなメリットがあるのかなど、実際にビジネスに取り組まれている社員のみなさんからフィードバックをもらっていました。今まで持っていなかった視点から、今後ブラッシュアップしていけるのではないかなと思います」
青木「学生からの『本当はこれをやりたいけれどキャパシティ的にできるかわからない』という質問に対して、社員の方が『この機能を削減すればいいんじゃないか』など具体的なアイデアを出してくださり、『じゃあここまで頑張ってみよう』などの目標も明確になった様子でした。これから具体的に開発を進めていく上で、自信を持てる会になったのではないかなと思います。」
白石「これまで作ってきた案に対して、『この案で本当にいいのだろうか』『これって自己満足じゃないのか』とか、学生自身がすごく不安を感じていたと思います。でも、社会人の社員の方が案を認めてくれたり、フィードバックをくれたりするだけでも、自信につながったのではないかなと思います」
年内の授業は残りわずか。年が明けるとまもなく、最終発表会を迎えます。
今回の中間発表での気づきや学びをどのように生かし、最終プレゼンに臨むのか。引き続き、アバナードは全力で学生のみなさんの取り組みをサポートしていきます。
アバナード コーポレートシチズンシップ 日野紀子
編集協力:SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERSさん
撮影:村上悦子さん
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