計画
本事業では、次の2項目を活動目標としています。
1.日本の女子教育の経験から途上国の女子教育支援への応用可能性を考える
本学では、女子の高等教育機関として130年以上の歴史を持ち、女性の教員養成を中心に日本社会の中で女子教育の発展や女性の社会進出に永年寄与してきました。そこで、本学が保有する女子教育に関する資料や経験を土台として、日本社会が女子教育に着目し、今日に至るまでどのような政策的措置をとってきたのか、またどのような社会的文化的背景があって女子教育が発展してきたのかという点について女子教育関連の資料や女子教育の向上に寄与した教育研究機関から知見と経験の整理をし、分析を行います。また、その分析から基礎教育分野における女子教育の発展において途上国への応用可能性を考えていきます。
2.開発途上国への女子教育支援に関する研究
@ 開発援助における女子教育支援の必要性の立証
国際社会が女子教育を支援することを通して、どのような効果を期待しており、国際社会全体にどのような意味があるのかについて1990年代以降の教育支援や開発援助の動きを中心にまとめていきます。また、サブサハラアフリカや中東、南アジアの地域では女子の就学率が低いことに着目し、それらの地域で、女子教育の向上を図ることによって、地域や文化にどのような影響が出るのかについて考え、検証します。
A 開発途上国支援における女子教育支援に関するドナー国の姿勢(理念)とプロジェクト分析
UNGEI (United Nation's Girl's Education
Initiative)のネットワークに所属する国際援助機関や国際NGOの女子教育支援に関する援助政策、プロジェクトや現場報告を調査し、分析を行います。同時に、幾つかの機関には、女子教育政策についてインタビューを実施し、援助方針、目標、効果、問題点と評価について聞き、比較研究を実施します。
B 国内外における途上国への女子教育支援ネットワークの構築
国際機関やUNGEIのネットワークを中心に各国の援助機関や女子教育の研究者とネットワークを構築し、意見交換を行いながら、日本の知見を生かした女子教育支援を考えていきます。
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